野に咲く静けさを、針目に写して。秋の七草を彩る「キキョウとナデシコ」の刺繍巾着

Botanical Autumn Stitch

厳しい暑さが和らぎ、野山に繊細な花々が咲き始める頃。
古来より愛されてきた「秋の七草」を、柔らかなリネンの巾着に刺繍してみませんか?
今回は、鮮やかな紫が美しい「キキョウ」と、
愛らしいピンクが散らばる「ナデシコ」をピックアップ。
落ち着いた秋の色彩を選び、一針一針丁寧に時間をかけて、
日常使いできる小さな芸術品へと仕立てるレシピをご提案します。

「秋の色」を表現する刺繍テクニック

1. キキョウの気品を「ロング&ショート」で

キキョウの大きな花びらは、ロング&ショートステッチを使って内側から外側へグラデーションをつけるように刺していきます。中心には濃い紫、外側へ向かって淡い紫を配置することで、花の立体感と気高さが際立ちます。おしべの部分に黄色のフランス結びを一粒添えるのがアクセントです。

2. ナデシコの繊細さを「一目刺し」で

ナデシコ特有のギザギザとした花びらは、細い刺繍糸(1本取り)を使い、アウトラインステッチで縁を細かく追っていきます。花びらの面をあえて埋め尽くさず、少し生地を透かせることで、秋風に揺れる儚げな雰囲気を演出できます。くすんだピンク(モーヴカラー)を選ぶと、大人の女性が持ちやすい上品な印象に。

3. 地直しされたリネンが「キャンバス」になる

刺繍を施す巾着の生地は、水通しと地直しをしっかり行ったリネンを選びましょう。リネン特有のハリとナチュラルな筋(ネップ)が、和風のモチーフと絶妙にマッチします。内袋には薄手の和柄プリント布を使うと、巾着を開けるたびに秋の趣を感じられる、贅沢な仕上がりになります。

Capturing the Autumn Breeze

花に想いを、針に静寂を。
あなたが紡いだ一針一針が、
過ぎ行く季節を掌の中に留め、
何気ない毎日を、そっと美しく飾り始めます。

Shichirigusa Botanical Embroidery